手術を経験して

目次

 

発見から手術まで

 

 

この春から高校1年生の私は、4年前の小学校6年生の夏に家の近くにある市民病院で特発性側弯症という診断を受けました。

日常生活にまったく支障がない中での宣告だったので、小学校6年生の私は訳も分からず、ただ「病気」という言葉に動揺していました。

 

市民病院で診断され専門病院の紹介

発見した時はカーブの角度が約25度だったので約半年間、その市民病院で経過観察をしました。しかし半年後、約25度だったカーブの角度が約35度と少し進行が見られたので、市民病院の先生に「専門的な病院に行って、専門的な先生に診てもらった方が良いかもしれない」ということで、慶應義塾大学病院を紹介して頂きました。

 

年3回程度の経過観察

最初はセカンドオピニオンを受け、当時のレントゲン写真などを元に慶應病院の先生からある程度お話しを頂いたうえで、病院を慶應に遷しました。

初診の時のカーブの角度は約35度だったので先生からは、全然手術は考える角度ではないというお話を頂きました。

それから1年に3回程、定期的に受診し経過観察を行いました。

そして、3年後の中学3年生の夏にカーブの角度が約50度になっていたので、絶対では無いし、今すぐと言う訳でもないけど、これ以上の進行防止と将来のことを考えて手術を考えても良いかもしれないというお話を初めて頂きました。

 

早い時期に手術をする決心

手術なんて縁もゆかりも無い話しだと思っていたので、真面目にビックリしました。でも実際に、普段の学校生活でも姿勢の事で何度か注意を受けたことがありました。

私自身も姿勢のことを言われるのは嫌だったのし、手術をするとしたら高校生や大学生での手術は嫌だったので、そこまで迷うこともなく早い時期に手術を行うことに決心することが出来ました。

そして、中学3年生の冬。受験が終わった後、即入院し手術を受けることが出来ました。

 

入院・手術・退院

 

私が慶應病院に入院したのは、高校の合格発表の4日後、手術の3日前でした。進路も決定した後の入院だったので、完全にオフの状態でリラックスして入院日を迎えることが出来ました。

 

手術前の検査などの準備

手術の前々日や前日は、いくつか検査をしたり、手術の説明を主治医の渡邊先生や担当医だった増田先生から親同席で受けたりしました。

入院から手術まで少し時間があったので検査なども余裕を持って行うことが出来ました。また、手術前日には、手術に備えて下剤などのお薬もいくつか服用しました。

 

手術前の緊張

手術をすることを簡単に決めてしまった私ですが、実は注射だけでも小学校6年生位まではベソをかいていたくらい駄目なので、手術の前夜は、いざとなったらどうやって逃げ出そうかということで頭がいっぱいでした。

でも、手術当日は家族が朝早くから来てくれたり、緊張でガッチガチだった手術室でも手術室の看護師さんが話しかけてくれたりしてくれたので、麻酔にかかる直前まである程度リラックスしていることができました。そして気付いた時には手術は無事終わり、病室にいる状態でした。

 

手術後の回復

私自身、術後1・2日のことはよく覚えていませんが、手術直後の一晩は一切の飲食ができなかったので入院中で最も辛い一日でした。

術後4日くらいまでは、動いてもすぐ気持ち悪くなってしまう状態で歩くことも少し歩行器を使ってしただけでした。

しかし、術後5日目くらいに歩行器を使い病棟内を2・3週歩けるようになってからは、リハビリも始まりどんどん回復していきました。

 

元気に退院

コルセットの型取りは術後1週間目にできました。ある程度、元気になってからは自分でも出来るだけ歩くように心がけていました。また、術後1週間くらいからは、症状が一転して早く退院したくてしょうがないくらい元気になりました。

そして、術後11日で無事退院することが出来ました。

 

 

学校復帰

 

 

退院した翌日には、高校の制服の採寸に行くことが出来ました。そして、土日を挟んで月曜日には学校に完全復帰しました。初めは校舎までの長い坂道などを友達と同じペースで歩く時など、腰が痛くてひけてしまったり、階段の上り下りでも多少辛い面も正直ありました。

 

普段の生活に戻る

でも、入院中、手紙をくれたり応援してくれたクラスの友達と久しぶりに再会できて、そんな辛さもふっ飛び、また、普段の生活に戻ることで身体が一層元気になりました。

手術直後は、『もう運動なんて絶対に出来ない!!』と思い込んでおり、高校の部活でも出来るとしたらマネージャー業と思っていましたが、今は、身体が元気になりすぎているし、出来るのであれば自分でプレーが出来る部活をしたいのでハンドボール部やバトミントン部なども今では考えています。

 

退院後に注意したこと

術後初めての外来受診では、水泳の許可だけ頂いたので次の日にプールに泳ぎに行くこともできました。

また、気をつけていることは、たまに手術をした事を忘れて全力で走ってしまったり、友達とふざけていて身体を強くぶつけてしまう事があったり、私は注意力散漫なので無駄に転ぶことが多かったりするので、この3つは意識的に注意するように心がけています。

 

手術を終えて

 

手術直後は、『どんな元気な人でもこんな状態に陥る事があるんだ。』と思ったり、『もうこんな身体で高校で運動できるか分からない。』と、手術を受けた事を正直後悔したこともありました。

でも、手術後2カ月の今になってみると、日常生活にこれと言って支障はほとんどありません。高校の準備登校でも、写真撮影の時に姿勢を注意されましたが、目立って注意されることも無くなり、今では、この時期に手術をして良かったと思っています。

 

執刀してくださった松本先生を始め、主治医の渡邊先生。手術の事など入院中、優しく教えて下さった担当医の蔵本先生、増田先生、磯貝先生。入院から手術、退院まで本当にありがとうございました。

 

重度な側弯の手術ではありませんでしたが、今回の入院から手術、退院までの期間に感じ、学んだことがいっぱいありました。この経験を無駄にすることの無いよう、多少辛いことがあっても、しっかりと前へ見て自分の人生を歩んでいきたいと思います。

 

この私の体験記が同じ病気で、手術を悩んでいる方のお役に少しでも立てたら…。と思っています。

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