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脊柱側弯症の手術を受けて

目次

  • 1 手術に至るまで
  • 2 手術への決断
  • 3 検査、入院中のこと
  • 4 手術
  • 5 退院後、復帰
  • 6 最後に

手術に至るまで

 私は産まれた頃からの側弯症でした。

逆子で出産時に足が出たまま数時間も放置され、最終的に引っ張り出され右手もブランとなった状態でそれによるものなのか先天性なのか当時も分からない状況でした。

しかし私を抱っこしても体が曲がってしまい、いくつもの病院を受診したのですが、ようやく側弯症と言われたのは何軒もまわってからのこと。

2歳半までコルセットをしていましたが、私に顔面神経痛が出始め家族も精神的肉体的に疲れてしまい、コルセットも通院もやめてしまいました。その頃にカイロの先生と出会い、25年以上お世話になりました。

中学生になると腰痛も出始め、部活動や体育もしていましたが長時間立っていることが辛く、近所の整形外科に行きました。しかし、側弯の影響とも精密検査が必要とも何も言われませんでした。

整体には通い続け、体調には変わりなく大学を卒業、検査技師となり職場に脊椎専門の先生がいらしたので話をしたところ、慶応義塾大学病院の渡辺先生を紹介され受診しました。

手術への決断

 初診の時、ここまで重度の患者は見たことがないと言われました。

角度は180度以上で判定不能なほどの曲がり。片肺も押しつぶされていて、腰痛も側弯からということでした。

年齢的にもすぐ手術したほうがいいが、曲がりの状況からも相当な覚悟を持って決めて欲しいとも言われました。

もちろん手術をしないことも選択肢の一つだが、今後もっと曲がって内臓も圧迫され、40代になったら酸素を持ち歩くことになるだろうと言われました。

次の外来までに考えておくように言われましたが、私の中では答えはもう決まっていました。

先生もおっしゃっていましたが、側弯症の医療技術の進歩はここ5年位で飛躍的に伸び、私のような重度の患者でも手術可能になったそうです。

しかし、治せると言ってくださった先生は初めてだったので、大変なことだろうと思いましたがすぐに決心がつきました。

検査、入院中のこと

 ミエログラフィーという脊髄造影CTやMRIなどの検査を経て、頭にハローリングという輪を装着し、日中は重りを引っ掛けて背骨を牽引していました。

ハローリングは手術までに少しでも曲がりを良くすること、そのことにより手術がやりやすくなるという利点があり、曲がりの大きい患者に有用だそうです。

私は1kgの重りから徐々に重りを増やし、手術2週間前からは10kgの重りを掛け、約1ヶ月間牽引していました。牽引は食事やトイレなどは外しましたが、できるだけ長い時間牽引していました。夜寝る時も、ベッドに寝ながらの牽引です。

自由に動けないなどの不安もありましたが、その心配はすぐに消え牽引もすぐに慣れてきました。
    

手術

 曲がりが強いため、通常行われる後方固定術を2回に分けて行いました。 

1回目と2回目の間は1週間でしたが、その間は肺機能の低下により誤嚥からの肺炎などの危険性を考慮し栄養も点滴から摂り、ほぼ寝たきりのまま過ごしました。 

痛みは背中全体にあり、息苦しさがすごくありました。 
 
2回目の後、歩き始めたのは術後1週間してからだったと思います。

2週間近く寝たきりだったので、貧血、息苦しさがありました。痛みは肋骨を切った辺りの脇腹、矯正により伸ばされた骨盤の筋肉が痛みました。

歩行器の使用は2,3日でしたが、その後は1人でも十分に歩けるようになり、1週間後には退院できました。 

入院してハローリングをつけ、2度も手術をし、辛かった事もありましたが、家族・友人・そして看護師さんや先生方のおかげで乗り越えられることができたと思っています。

そして入院中は同じ側弯症の患者さんと励ましあったり、世代や疾患の違う患者さんとも出会いたくさんの事を得た気がします。 
         

退院後、復帰

 180度以上はあると言われていた曲がりも80度近くまで矯正され、身長も8cm伸びました。

右背中にあった大きなコブもないに等しい位になり、ウエスト部分のくびれも左右対称になりました。

背中には30cm近い手術の跡がうっすらとありますが、良くなった勲章のようにさえ感じます。

退院後も息苦しさや体の痛みはありましたが、約1ヶ月後には職場復帰をし、徐々に痛みも減って体も思うように動くようになりました。現在術後半年になりますが、ずっと抱えていた腰痛もなくなり術前以上に体の調子も良くなりました。
 

最後に

手術を受けようか悩んでる方もたくさんいらっしゃると思います。

私の場合、入院後の治療と手術が特に大がかりではありましたが、もう治らないと思っていた体がここまで良くなったこと、たくさんの人たちに姿勢が良くなったとも言われ手術を受けて本当によかったと思います。

そして今後の人生も今まで以上にもっと楽しめるのではないかと思っています。

手術をするかの決断は最終的にはご自身の判断になりますが、手術を受けるタイミング、治したいという強い気持ち、そして主治医の先生方を信じて決断して頂ければと思います。

長文になりましたが、私の体験談が同じ側弯症で悩んでいる皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。ご一読ありがとうございました。

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